とりあえずお医者さんごっこ

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ケイト「大変です!クレアさんがまたお力を!!」 村長「なんだと!?して、クレアはなんと言っていたのだ!?」 ケイト「それが、直接村長に伝えると言ってこちらに向かっていて……。僕では支えになれないので助けを呼ぼうと思って、」 何だよ騒々しい。 レン「クレアさんがどうしたのですか?」 クレア「どうかしたのはアタシじゃないわ。……ねぇ、一段落ついたなら手を貸してくれない?」 すだれの向こうから聞こえてきたクレアさんの声 。 レン「ええまぁ……構いませんが」 不思議に思いながらすだれをくぐるとそこには、 レン「……」 クレア「何よ」 レン「いや……」 服は何かに引っかけたようでボロボロだし、顔を始めそこら中に土汚れをつけて地面に横たわる彼女。 レン「まさか、這ってきた?」 村長「驚かせて申し訳ありません。クレアは足が悪いのです」 すだれをくぐって村長が顔を出す。 クレア「アタシの足のことで村長が謝る必要ないでしょ。それよりも言伝よ」 誰から? クレア「ユエ?とか言ってたかしら。そっちの子どもに、“すぐ気付かれる、身を隠せ”だそうよ。あの胡散臭い女が向かってきている映像が見えたわ」 何の話だよ? 村長「初めての方には信じられないかもしれませんが、クレアは神の言葉をいただくことができるのです」 レン「……へぇ」 別に信じないとは言ってないし。 それよりも、ユイが戦力外の状態で何ができる? 考えている間にも受付(多分)は迫ってる。 最高神(多分)がユイに身を隠せってぐらいだから相当マズいんだろう。 んー。 ユイ、村長、クレア、ケイト、病人8人ね。 俺が強制転移できるギリギリの人数だ。 それ以上はまだ魔力コントロールが効かない。 でもどこに飛ばす? 本当にギリギリだから俺も同時に移動ってわけにはいかない。 絶対に安全だって保障できるのは離宮だけど…… 何て説明する? ま、考えてても仕方ないか。 レン『あ、母さん?ひさしぶりー』 迷ってる時間の猶予は無さそうなので念話をつないだのだった。 .
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