Story30.灰音りかと御曹司の求愛

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波乱の一夜が、明けた。 たったの一日がとてつもなく長い日に感じられた、怒涛の大晦日。 且、ツカサの誕生日は、プレゼントもないままに終わってしまった。 今年は降らないだろうと予報されていた雪が降り、まさかのホワイトニューイヤーになったことは感激だけど、 雪が降るんじゃないの!?っていう表現を揶揄すると、それはまるで、超庶民のあたしと超絶セレブのツカサの恋仲があり得ないと言われているようで、雪景色を喜ぶことが出来なかった。 いつもなら、写真を撮りまくるであろうことなのに、今日は視界に入れることを避けている。 ああ、恋する乙女って感じだよね、なんて自分で自分をからかって、今は目の前の我儘御曹司の気を逸らすことに全力を注いでいた。
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