~“it”(それ)と呼ばれた子~

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そのうちぜったいに僕のことになる。いつも決まってそうなんだ。母さんの声が聞こえた。僕は吐きそうになった。 『どういう意味よ?』母さんが父さんに向かって叫んでる。 『あたしが『それ』にひどいことをしているっていうの?ねえ?』 それから母さんの声は、氷のよう冷たくなる。父さんの顔に指をつきつける様子が目に浮かぶ。 『あなた・・・・・よく・・・・聞きなさいよ。あなたなんか・・・・『それ』がどんなやつか、わかりもしないくせに。あたしが『それ』そんなにひどい目にあわせてるって言うんなら・・・・だったら”・・・『それ』はどっかよそで暮らせばいいのよ』 父さんの姿が見えるようだ。手にしたグラスと酒をるらして、中の氷をカラカラ鳴らしている。 『まいったな、落ち着けよ』父さんが口を開いた。
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