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僕は、空き教室の前にいた。
ただ、ひまつぶしに噂を確かめに。
僕の少し長い前髪が、風でゆれた。
例え本当のことだったら僕が死んでも、誰も泣いてはくれない。
この目のせいで。
静かにドアを開けた。
僕は、動かなかった。
いや動くことができなかった。
だって中には、美少女がいたからだ。
長く黒髪。
目の色は青い。外国産まれだろうか。
残念なことに、胸はあまり無い。
その人は、まるで絵の中から出てきたような感じだった。
部屋の中は本ばかり。
本世界と思うようだった。
きづいた時には、綺麗な人はこちらを向いていた。
「誰?」
まるでバラのような声が、僕をトゲで刺したようだった。
「天羅 伽耶。」
美少女は、僕を見てクスクスと笑う。
「何が可笑しい?」
「まだわからなくていい。私の名前は、神埼 鈴華。」
なんなんだこの人のことを知ってるような気がする。
「なにしに来たの?」
「噂を確かめに。」
「なんの噂?」
「ここにいる幽霊の話し。人を殺すて言うの。」
「子供見たい。でもね、私は人の心を読める。」
なんなんだこの人は。
僕を、バカにしているのか。
僕を見てまたクスクスと笑う。
薄暗い夕焼けを僕達の顔を照らす。
「ここの部に、入って。」
「まぁ、いいか。」
「決まり。」
子供のような笑顔
でも、まるで僕を見て嘲笑うようだった。
「ここはなに部。」
「ミステリー部だけど。」
変な名前。
「普段は何するんだ。」
「謎解き。」
なんなんだ。
―私ね、たくさんの謎を解くんだ。
―頑張ってね。
「どうした?」
「別に。」
何で昔を思い出したんだ。
「伽耶君のその目好き。」
「ふざけるな。」
低く言った。
僕はこの目は、嫌いなんだ。
しかも知ったような口調。
「もう、こんな時間。帰らなきゃ。また、明日。」
と言い残した。
僕も帰らなきゃ。
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