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広々とした講堂へと入ると、すでに40人程の学生が座って談笑していた。主に室内の半分から後方にかけて、人が疎らに座っている。人の心理とはそういうものだ。あまり前には行きたがらないし、知っている人がいない限り、近くに固まろうともしない。
「どうせなら前行こう。静かだし。」
エステルは小さく呟くと、教室前方のど真ん中、教台の前を陣取った。周囲に数人いるが、後ろに比べれば人口密度は低く、なにより静か。
先程から後方からの視線が痛かったので、後ろは怖くて振り向けないが。
封筒の中身をチラチラと見つつ、しばらく待っていると、姿を見つけたファンがエステルの横へとやって来た。
手にした封筒はエステルのそれよりもずっと分厚い。
「やっぱり学ーー」
「お!!エステルみっけ!!」
ファンに気を取られていると、その後ろから名前を呼ばれる。
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