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――――あ、マズい!
彼女はかなりの危機感を感じていた。
―どうしよ…。いつも通りほうきに乗ってバイト行こうとしただけなのに。
なのになんで文明使いの世界に迷い込んで、禁忌を犯して魔法使っちゃってるんだろ…。
ホントにいつも通りだったのに―――
―――マリカ、起きなさい!
あ、お母さんの声だ。
てことはすぐにお母さんの使い魔が私を起こしに来る。
仕方ない、もう少し寝たかったけど。
彼女が目を開けると目の前には真っ白な体に黒い炎のマークが刻まれたフクロウが彼女の瞳を覗き込んでいた。
「ほら、ちゃんと起きたよフゥちゃん。だから今日はツツかないでっ!ねっ!」
彼女はフクロウのくちばしを押さえながら懇願した。
その願いは通じたらしくフクロウは彼女の部屋から去っていった。
「もう子供じゃないんだからフゥちゃん使わなくてもいいのに。」
思春期特有の愚痴をこぼしながら、空間操作魔法を使い、魔女の正装である黒いワンピースを自分の体の上に出現させた。
「おはよ~。」
「今日はちゃんと起きてたのね。」
「当たり前だよ!私もう18だよっ!?」
「はいはい。」
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