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そんなどこにでもある親子の会話の中、目玉焼きやハムなどが浮遊魔法によって宙を舞い皿に降りる。
「いっただっきま~す!」
全てがいつも通りのはずだった。
しかし、その日常はいとも簡単に崩れ落ちることになる。
マリカはほうきに乗るのが昔から得意で、小さい頃などはほうき競争で負けたことがなかった。
なので、彼女が選んだバイトもその特性を生かしたもので出勤にもほうきを使った。
「じゃあ行って来まーす!」
「気をつけてね。」
手を振る母の顔が豆粒大になったところで彼女は前に向き直した。
「やっぱり子供扱いしてるぅ。」
彼女が不満で頬を膨らませた次の瞬間、目の前に黒い穴が現れた。
しかも、それはいつの間にかすでに避けらんない程の距離にあった。
いくらほうきが得意とは言え、これは回避できず穴の中に飛び込んでしまった。
「いぃやああぁぁあ!?」
どれだけ叫んだのだろう。
次に目を開けると、そこはもう彼女の知らない世界だった。
さらに目の前には奇妙な格好をした青年が。
この格好、本か何かで見たことが…。
ってまさか!?
「あなたは文明使いさんですか?」
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