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「なんか……あからさまに怪しい……」
「よね……」
汐莉と結芽が口を揃えた。
だよな……。
何も無い部屋の真ん中に置いてあるなんて、いかにも開けてくれと言ってるようなもんだ。
「教授はどう思う?」
教授に聞くと、即答だった。
「調べた方がいいとは思う。しかし、罠である可能性も非常に高い。そんなリスクを背負って誰が調べるかだ。」
確かに。
もう少し他の手を考えてからにするか……。
「みんなの意見は分かった。やっぱり調べるのはやめ」
「ちょーっと待ったぁー!!」
あ……。
一人忘れてた。
タムジュンが言った。
「俺が調べる。念の為みんなは離れていてくれ」
タムジュン……お前……みんなの為に犠牲になろうと……!!
「分かった。みんな……離れよう」
教授はサラッと言った。
教授……それはさすがに酷くないか……。
そう思いながらも俺も一緒に離れた。
タムジュンは俺達に向かい、右手の親指をグッと立てた後、ゆっくりバックに近づいて行く。
みんなに緊張が走る。
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