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その瞬間、みんなに緊張が走る。
足音はどんどん部屋に近づいてくる。
みんなの方に目を向けると、教授がこっちに来いとジェスチャーしている。
俺は慌ててみんなの方に走る。
汐莉と結芽を守るように立ち、ドアの方に意識を集中させた。
銃を握る手に力が入る。
ふと見ると、いつの間にか教授とタムジュンも銃を持っていた。
もし万が一のことがあったら、なんとしても汐莉と結芽だけは逃がさなきゃ……。
足音は、部屋の前まで来て止まった……。
緊張がピークに達する。
手はじっとりと汗ばんでいた。
俺達をここに連れてきた奴か、もしくは別人か、どちらにしろ、ただ逃がしてくれる訳がない。
それは、この拳銃が物語っている。
ガチャガチャと鍵を差し込むような音がした。
心臓が高鳴る。
ガチャリ――
その音がした後、ゆっくりドアが開いた。
開いたドアの隙間から、ソイツの手が入ってきた。
緑色の肌をした、ソイツの手が。
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