虚言

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次の日に学校に行くと、5人は来ていなかった。 タムジュンなんかはいつも一番に学校にいるのに……。 すると先生に呼び出された。 応接室まで一緒に来い……と。 応接室には、岳や汐利たち5人の両親が来ていた。 みんな深刻な顔をしている。 それと、ソファには2人の知らない男が座っている。 彼らは警察の者だと名乗り、警察手帳を俺に見せた。 警察……! 心臓がドクンっと跳ねた。 側にいた先生が口を開いた。 「前原たち5人が一昨日、つまり土曜日から家に帰っていないそうなんだ……」 心臓の鼓動がどんどん早くなる。 「それで警察の方に捜索願いを出したって訳なんだが……」 「先生、あとは私達が……」 先生の言葉を、警察だと名乗った男が遮った。 思わず声が出た。 「それが……僕となんの関係が……?」 警察だと名乗った男の一人がゆっくりと口を開いた。 その目は俺の方をジッと見据えている。 「……土曜日の日中に、キミが彼らと一緒にいたのを見た……と他の生徒さんから聞いてね」
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