失意

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生まれた時から私は好奇心の塊だった。 ダメと言われれば余計にやりたくなる。 それは人間の性だろう。 だが、普通の人間には理性がある。 理性があるから心にブレーキを掛け、踏みとどまる。 しかし私にはそれが無かった。 自分の好奇心を満たすために何でもやった。 もちろん、人を殺すことさえも。 しかし、そのどれもが私を満たしてはくれなかった。 どうしようもない虚無感だけを私に残していった。 この世界はどうしようもなく退屈だった。 どんなに突拍子も無い、常識から外れたことをしても、世界は決められた答えしか示してはくれないのだ。
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