失意

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物思いにふけっていると、ふいにインターホンが鳴った。 ドアスコープを覗くとスーツ姿の男が立っていた。 おそらく刑事だろう。 1人に逃げられてしまったからな……。 警察が私にたどり着くのは予想していた。 私は金庫から拳銃を取り出し、ソファーのクッションの下に隠した。 いつかはこうするつもりだった。 この先、いくら追い求めても世界は私を満たしてはくれないだろう。 潮時だ……。 その時、1つだけ残った『M.D』の事を思い出した。 コレは世に知られてはいけない物だ。 彼には悪いが使わせてもらうことにしよう。 その結果を見ることが出来ないのは少し残念だが、まあいい。 『M.D』を胸ポケットにしまい玄関に向かった。 私はゆっくりとドアノブに手を掛けた――
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