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――ジリリリリリ!!!!!
けたたましい音で目を覚ます。
目を開けるが真っ暗で何も見えない。
頭痛が酷く、頭が割れそうだ。
何処だ……ここは!?
「いったいなんだよ!?」
暗闇の中で声がする。
この声はタムジュンか!?
タムジュンは高校の同級生だ。
本名が田村順之助(タムラジュンノスケ)だから、略してタムジュン。
冗談で言ったのだが、本人がやたらと気に入ってしまい、それ以降あだ名がタムジュンになった。
「タムジュンか!?」
俺は暗闇に向かって叫んだ。
右の方向、少し離れた場所から声が返ってくる。
「この声はリーダーか!?」
……。
リーダーって呼ぶのはタムジュン以外いないな。
俺の名前は前原岳(マエハラガク)なのだが、入学して初めて顔を合わせた瞬間から、タムジュンはリーダーって呼んできた。
前に、何でリーダーって呼ぶのか聞いたら「俺のリーダーはお前しかいないと思ったからだ!」って言ってきた。
意味が分からない……。
面倒くさいので放っておいたら、ずっとリーダーって呼んでくるようになった。
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