漆黒

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「岳ちゃん!?タムジュンくんも!?私だよ、中村汐莉(ナカムラシオリ)だよ!」 汐莉!? 汐莉は俺の幼馴染で、年は俺より1歳下。 優等生で大人しい性格の女の子で、俺にとっては妹のような存在だ。 「汐莉!?大丈夫か!?そこから動くなよ!タムジュンもそこから動かない方がいい!」 この暗闇を動き回るのは危険だ。 それほどまでに真っ暗で何も見えない状況だった。 「わかった。ジッとしてる……」 汐莉は心細そうに言った。 すぐにでも汐莉の所に行きたい……。 何か明かりになる物でもあればいいんだけど……。 ……!? そうだ! ポケットを探ったが、入れていたはずの携帯電話が無い。 携帯が無くなってる……。 どこかで落としたのか? 取り合えずタムジュンと汐莉にも携帯を持ってるか聞いてみよう。 そう思って声を掛けようとした瞬間に、タムジュンの叫び声が聞こえた。 「リーダー!汐莉!今そっちに行くからな!って言っても何も見えないな……うぉ!!足になんか当たったぜ……」 どうやらこっちに来ようとして何かに躓いたようだ。 だから動き回るなって言ったのに……。
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