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大地が沈む音がする。海が荒れる音がする。空が裂ける音がする。世界が崩れる音がする。星が………泣いている。否、哭いているのだ。
「………つかさっ…!!」
「………なに?もしかして、もう音をあげちゃった…?」
「…はっ、んなわけねぇって。お前こそ、軽口が叩けるんなら、大丈夫…だよな…?」
「…当たり前よ…まだまだいけるんだからね…!!」
そう強がってみる。だが実際には、そんな胸を張って言えるほど、パワーはこの体には残されていない。ほとんど口から出任せ、空元気で言っているに過ぎない。
全身は、まるで重力に吸い寄せられているかのように重く、視界は霞み、恐らくは判断力も少なからず低下しているだろう。体の節々を動かすたびに、凄まじい激痛が迸る。
それでも、立たなければならない。戦わなければいけない。世界を…何としてでも救いたい。その想いだけで、何度でも立ち上がれる気がした。
「…いけるか?つかさ…。」
「当たり前だよ!!私たちは“ヒーロー”…最後まで諦めない…絶対に、勝つ…!!」
「フッ…そうだな。」
二人は腰の中心に手を翳し、変身ベルトを召喚する。待機音が流れるなか、それぞれのポーズを同時に行い、二人は叫んだ。
「「変身!!」」
《SAINT FORM》
《DARKNESS FORM》
二人は光のヒーロー“エンジェル”と、闇のヒーロー“デモン”へと変身する。それぞれの強化形態へ変身してもなお、戦力差は埋まらない。だが、突き進むしかないのだ。
「いけるな…つかさ。」
「うん…いこう!!」
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