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でも、その一方で願望はある。
結婚したいのだ、私は。
暖かい家庭が欲しい。子供が欲しい。願望はあるが行動が願望の真逆なのが現実。
この年でまだ「女」でもない天然記念物な私に誰が来ようか。
そして、わたしはいまだに「白馬の王子」みたいなロマンチックなおとぎ話のような出会いを欲している。
この年齢でえり好みする資格はもうないのに、いまだ漫画やドラマのようなストーリーが自分に舞い込んでこないかと思っている。
いわゆるアホなのだ。
現実にはそんなロマンチックなことは何一つない。転がっていても多分私が拾わないだけなのかもしれない。
そんな私に「幸福」なんて舞い降りてこないのは当たり前なのだ。
「智雪は自分で行動をしないからダメなのよ」
リミはよく私にそういう。
確かにそれは彼女の言うとおりだ。
いつも、ただ棒のように突っ立っているだけなのだ。
ただイヌか何かにあたるのを待っているただの棒。
そんな棒に「幸福」なんて来ないのは明白だ。
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