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リミは智雪の持ってきた箱からケーキを取り出し、皿に並べた。
「あれ、チビちゃんたちは?」
「あー、今日はスイミング教室なの、うるさいのがいなくて清々するわ」
「うるさいって…」
「うるさいわよ、実際。小さな怪獣ってよく言ったものだわ、ほんとゴジラと一緒よ!」
「ゴジラ級ですか…。」
ケーキをテーブルに置き、ティーポットが後に置かれた。
三分ね、とリミは言い、ゴジラ論をさらに熱弁する。
「それにしても、もう四年だっけ?」
そうね、早いはと、できた紅茶を注ぎながらリミは智雪のカップにも次ぐ。
「子供がいると本当に毎日が早いわね」
「そんなに?」
「そうよ、毎日毎日小さなゴジラと格闘よ。」
うんざり、とはいかないが少しほくそ笑みながらリミは言う、口ではさんざんと言っていながら顔では「幸せ」と語っていた。
「格闘ねぇ…」
哀愁のこぼれる自分の声にリミは反応した。
「…もしかして、寂しい?」
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