連絡と現実

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それには答えようがなかった。 「いやぁ、私も格闘しようかなっておもって」 「何と格闘するのよ、あんた」 「己?」 バカじゃないのとリミはケーキにフォークを指した。 そんな彼女の態度を確認して智雪はホッとする。 (よかった、気づかれてない) 無理やり適当に会話から逃げたことにぽっかりと何か謎の穴が自分の中で開く。 (まただ…。) どこか客観的な自分が自分を観ている感覚に智雪は襲われる。 それは多分妬ましいことなのか、それとも羨ましいことなのか、劣等感。 それらすべてがそこに嫌な渦を巻いて智雪の腹の底を無駄に回っている。 …幸せ…ってなんだろう…
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