連絡と現実

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夕方、美香に頼まれた買い物メモを取り出した。 時刻は五時過ぎ、リミも家庭もち、家を出る前にチビちゃんたちが帰ってきたことを機に智雪はリミの家を後にした。 リミの家から行きつけのスーパーは遠い、車を走らせながら、どこかスーパーはないかと目を走らせた時、近場にCMで観たことのあるスーパーの看板を目にした。 スーパーに着き、頼まれた野菜などをかごに入れていく。 時間帯が丁度夕時の為、店内は親子連れの買い物客でごった返していた。 カートだらけの店内をおぼつかない足取りで歩く。 スーパーなど、智雪は滅多に来ない為、商品がどこにあるのかさっぱりわからない。加えて初めて入ったスーパーならなおさら、店内に入る前に確認したメモを再度取り出した。 あっと言葉がこぼれた。それは後ろから子供がぶつかったから、そして、手の中にあったメモが床へ滑り落ちたから。 「こら、ゆーい、こっちにいらっしゃい」 親は智雪に会釈も、子供の無礼にも謝罪なく憮然な態度で子供を呼んだ。 (なっ!普通謝らないのそれ??) 親の態度にあっけをとられ智雪は自分の考えがおかしいのかと疑った瞬間声を掛けられた。 「大丈夫ですか?」 えっと振り返った先には少し見上げなくてはならない痩身な男性だった。 「これ、落としましたよね?」と、手には先ほど智雪が持っていたメモを握っている。 「あ、ああぁすいません。」 慌てて受け取ると男性は言った。 「気にしない方がいいですよ、最近はああいう親結構いますから」 今の出来事を観ていたのかと智雪は目を見開いた。
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