どうしようもない恋

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「…むむ、記録更新、か」 「あーらら、彼、けっこう人気あったのにね。サッカー部のエースだっけ?」 「………」 「それだけではない。性格は竹を割ったかのようにさっぱりしていて、異性の友達はもちろん男からも人気がある。顔も十分イケメンに分類される。最近彼女と別れたみたいだが」 「ふーん、割と節操ないんだね。そういえばユキも声かけられてたっけ」 「………」 「みろ、彼女の顔を。申し訳ないという気持ちが透けて見える。今まであれだけフっていてもだぞ。高嶺の美少女は性格まで完璧というわけだ」 「穏やかだし、身体はモデルみたいだもんねー、冴木さん。確かに男の子が好きそうなカンジかな」 「………」 「で、だ狭山はるか。この石像をなんとかしてほしい」 「お決まりだね、これも。おーい、悠馬ぁー」 「あいでででっ!」  ぎゅっと耳を引っ張られる感覚に、俺の意識は現実に引き戻された。
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