その頃のルシア

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ルシアside 朝、私は鳥の鳴き声とともに目を覚ました ここは、アルカ国立魔法学校専用寮の私の部屋 女子寮も男子寮も一人一部屋となかなか気遣いがなっている ルシア「……今日から学校…」 ベッドから降りて指定の制服に着替える 数日前にも着てみたのだが、やはり、始業式となる今日着るのは、また違う……こう、なんか変な気持ちになる ルシア「…まぁ、私は編入なんですけどね…」 メタノーム学長からは8時までに学長室に来るように言われている 今は7時ちょうど。まだ、時間は残っている 私は残りの身支度と朝食を済ませると部屋に立て掛けてあったレイピアを手に取った ルシア「……ソラさん…」 思い出すのはあの日、あの村から追い出された時のとこと、そして、私を救ってくれた義理の兄のことだ こうしていられるのもソラさんのおかげ ソラさんの作ってくれたレイピアの刀身をそっと指で撫でる 冷たいながらも、どこか温かさを感じた ルシア「…私、頑張ります。それで、いつか、ソラさんに恩返しが出来るように強くなります…」 グッと柄を握りしめ、目の前でレイピアを構える ルシア「……少し早いかな?」 いつの間にか、時間が過ぎていたようで、もう7時半を回っている まぁ、大丈夫か。 私はレイピアを腰の鞘にさし、部屋を出た リテリア「む?来たな」 ルシア「早かったですか?」 リテリア「いや、ピッタリじゃったよ。それでは、武器を預かるがよいか?」 実践練習や決闘などの武器の所持を許可されているとき以外は、武器をこうして学校に預けることになっている なんでも、無駄な怪我人を出さないためだそうだ ルシア「お願いします」 リテリア「うむ、確かに。それと、Aクラスの担任は外に控えておる。今から後についていくのじゃぞ」 失礼しました。と、礼をして学長室から出る 言われた通り、そとには眼鏡をかけてキリッとした顔立ちの女性がいた。この人が担任なのだろう カツカツと歩く先生の後ろについていく。 「ここが、Aクラスの教室です。後で呼びますので、その時に入ってきてください」 そう言い残して、先生は教室に入る
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