日常

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 琳花高校。  都内では有数のマンモス校として知られ、総生徒数は千人を越えると言われている。  始導零示は校門の前で止まった。  回りを見回させば、女子女子女子。  ふと零示は気づく。 (ここって女子高じゃねーか)  ポケットからしわくちゃになった紙を取りだして、改めて見返す。 「琳花高校へ実地研修して来なさい、織斑千冬ってここ女子高だよ、女子高」  紙をぐちゃっと潰すと再びポケットに入れた。 「千冬さんに怒られないようにたったとやっちまおうっと」  零示は事務所に声を掛けるために入っていく。 「血ぃほしいねん」  廊下を歩く零示に声をかけてきた女子生徒は、今なんと言った? 「血!?」  あまり驚かない零示もこの言葉には驚愕した。  長い黒髪に右側から飛び出したアホ毛、白いワイシャツに青いネクタイ、チェックのスカートの女子生徒は、吸血少女の南那珂川雛乃と名乗る。 「血ぃくれへん? うち、倒れそうや」  雛乃はフラフラと床に座り込み、上目遣いで彼を見る。
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