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「男性が居たってどうゆうことだ?」
零示は興味深げに美優姫に聞く。
「その人は間違ってここに転校してきたのです」
美優姫は優しい声で言葉を発する。
(なんかいいな)
零示にも彼女の優しい声が作り出す癒しの空間が見えたようだ。
「ところでお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「あっ、始導零示」
「まぁゆっくりしていっ」
「李々さん、何で私に変装しているのですか?」
同じ声が聞こえたので振り返ると、そこにはもう一人の城中美優姫がいた。
「はははっ!」
前からいた美優姫は先程の声とは違う声で笑う。
「来るのが早いよ、来るのが」
李々と呼ばれた女子生徒は自ら変装を解き、脱兎の如く走り去った。
それを唖然と見つめる零示。
「変装が特技なんです、李々さん」
美優姫の言葉に零示はただ頷くのみだった。
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