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「当たり前だろ。あるよ。」
「…そっか。」
「料理長になったら自分の好きなように店をやってけるんだ。俺はオーナーの考え方が好きだし、この店で料理長をやるのが夢だった。」
「それは私だって…」
「だから自分の限界まで努力してきたし、いつそうなってもいいように心の準備もしてきた。……お前は？」
「え？」
「安西は自信ないのかよ。」
宗太郎にそう言われて、悔しいけど私はなにも言えなかった。
私だってAldoの料理長をするのは夢だったし、そのためにずっと頑張ってきたつもりだ。
だけど、いざそのチャンスが来るかもしれないってなったら…
自分の料理でお客様を満足させられるんだろうかって不安が重くのしかかった。
黙ってうつむく私を見て、宗太郎は止めていた手を動かし始めた。
「安西、早く。もうすぐ開店時間だ。」
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