第一章 力

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『おい、あの青年ゴツイの吹き飛ばしたぞ。』 『凄いわねあの子、この町のギルドに入れるわよ。』 店の客がざわめきだした。そんな事は気にせずマスターの所へ行く。 「マスターすまない、これは店の修理代だ。」 そう言うと絹の袋を取り出した。結構入っているようだ。 「そんな、秋介さん、修理代にしては多すぎますよ。」 「迷惑料も入れてる。受け取ってくれ。」 そう言うと、ゴツイ男の方へ歩み寄る。 「大丈夫か?」 秋介はゴツイ男に手をさしだした。 「ああ・・・大丈夫だ。」 体の痛みを堪え、秋介の手を取る。 「すまないな、ついカッとなってしまった。修理代お前が出したんだろ?」 そう言うと、懐に手を入れた。そして絹の袋を手渡した。秋介は、欲しくないというそぶりをしたが、強引に渡す。 「お前に対する迷惑料だ。受け取ってくれ。」 そう言うと、酒場から出ていった。
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