0人が本棚に入れています
本棚に追加
目を開ける、眩しい光が目に入り、目を反射的に閉じる。
「おはよう、遅い目覚めだね」
そういったのは、目の前の机に座っている友人、緑黄 幻(みどりき げん)、見れば時刻は既に放課後の時間を指している。
「やべっ…先生なんか言ってた?」
「起きたら職員室に来るようにってさ」
「何分前に?」
「一時間前」
半端ないアウトだ、それも担任の授業時間に居眠りとは…気を抜いていた…!
「おーい、赤木ー」
「悪りぃ、後で!」
これ以上遅れたら反省文3枚どころじゃすまなくなる、俺は急いで職員室へ向かった。
「赤木ー…寝るのは良いが家で寝ろよ?」
頭を下げて謝っている体勢のまま、先生から呆れられるのも何回目だろうか。
「まぁいい、明日の清掃活動なんだが、青山が先にまとめているから手伝いに行ってやれ」
「葵ですか…あー…わかりました」
仲良くやれよーと背中に声を受け、職員室を後にする。
「遅い」
「すみませんでした、葵様」
いつものやり取りだ、これも。
「まとめるのは終わってる、持って行って」
「はい、了解しました」
ささっと片付けと帰り支度をすませた葵は、そのまま廊下に消えて行く。嫌われてはいないと思いたいが、態度から察するに嫌われているんだろう。
青山 葵(あおやま あおい)、小さい頃からの幼馴染であるが、真面目なあいつと俺はすっかり仲が悪くなり、今ではあんな風に態度から嫌われてしまっている。
「…持ってくか」
カバン片手に資料を持つ、窓から見えるのは青い空、今日も天気は良く、雲が気持ち良さそうに泳いでいた。
最初のコメントを投稿しよう!