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「で、何でいるんだよ」
帰り道、家の前の階段の鳥居の下に、葵が居た。
ちなみに我が家は神社である、代々続く由緒ある神職の家系で、なんでも国産みの神様に関係があるとか。
「隣なんだから、別におかしくはないんじゃいの?…暇になったから遊びに来たの」
「そうかい、ゲームしか無いが…そうだ、秋さんにパーティゲーム持って来てもらうか」
紫堂 秋(しどう しゅう)、もう一人の幼馴染で、仲良しの方。付き合いやすい性格で、皆のリーダー的な存在、ただし一つ上の学年のためあんまり会えない。
「秋さん忙しいんじゃないの?」
「暇だってぼやいてたよ、そうだな、久しぶりに皆で集まるか」
皆にメールを出して…っと。
「中に入るか、俺の部屋行っててくれよ。お茶と菓子持ってく」
「ん…分かった」
葵が部屋に上がったのを見計らって、皆が出て来る。
「やっぱいたか」
「いやぁー…葵ちゃん頑張ってるなーと」
隠れた所から出て来たのは緑黄兄妹、幻と妹の夢ちゃん。
「上がりなよ、葵先に行ってるから」
はーいと、夢ちゃんの元気な声を聞いて台所に向かう。
台所には、まるで夫婦のような先輩達がいた。
「何をやってんだ、人の家の台所であんたらー!」
秋さんと、藍野 美子(らんの みこ)さん、どちらも一つ上の学年で、学校の代表二人だ。
「美子、そっちのカカオパウダー取ってくれる?」
「はい、どうぞ~」
「聞けよ!」
「「何って…お菓子作り?」」
なんでハモってしかも疑問系なんだよ…!
「親父さんに鍵渡されてな、よろしく☆って」
「今日からしばらく皆で泊まるから~」
さいでっか…としか言いようがない、決定事項なら抗えない。
「にしても今日はやけに暗くなるの早いな…」
「…悪い、用事思い出した。蓮、葵頼むわ」
「幻君、夢ちゃん行くよ~」
既に身支度を完了した先輩達はサクッと玄関に直行する。
「えー…いきなりー…?」
「呼んだら来てくれ」
「え、あぁはい」
そういって出て行ってしまう、残された葵と俺は顔を見合わせ…、逸らされた。
「お茶…入れようか、俺準備して来るよ」
「あ…ぅ、うん」
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