プロローグ/1

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すると秋さんは、いきなり葵に近づき、小声で話し始める。 「…(葵、これはチャンスだぞ)」 「(な、ななな何の事ですか!?)」 「(蓮はお前と仲良くなろうとしている、つまり嫌われてはいないという事だ。そして、世界には愛が足りない、お膳立ては揃っているじゃないか)」 「(で、でもぉ…)」 (なにやってんだろーなー…) ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ… 「お、世界が眠る体勢に入ったな」 「お兄ちゃん、ゲート開いたよ」 夢ちゃんの方を見ると、光の穴のようなモノが空間にぽっかりと空いている。 「よっし、皆行くか!」 秋さんの掛け声で一人ずつ入って行く、中は真っ白で、何処までも続きそうな穴だ。 「全員、変な所に降りても慌てるなよ?」 「「「おう!」」」 「「「了解!」」」 「じゃあ、また修復世界で!」 その声を最後に皆の姿が見えなくなる、一人を除いて。 「葵は、近いから見えるのか?」 「嫌?」 「嫌じゃない、葵みたいな美少女なら歓迎するさ」 「っ…軽い男に見られたく無かったらやめといた方が良いわよ、その言葉」 相変わらず葵は厳しい、さっきまでは良かったのに、俺が嫌いなのだろうか…。 「…別に嫌いじゃないわよ(ボソッ)」 「え?」 葵の方を見ると、少し顔が赤くなっている、…こうして見ると本当に可愛いよなぁ。 「ほら、着くわよ」 葵の言葉に前を向くと、目の前からゆっくりと地面が近づき、そして…
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