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すると秋さんは、いきなり葵に近づき、小声で話し始める。
「…(葵、これはチャンスだぞ)」
「(な、ななな何の事ですか!?)」
「(蓮はお前と仲良くなろうとしている、つまり嫌われてはいないという事だ。そして、世界には愛が足りない、お膳立ては揃っているじゃないか)」
「(で、でもぉ…)」
(なにやってんだろーなー…)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「お、世界が眠る体勢に入ったな」
「お兄ちゃん、ゲート開いたよ」
夢ちゃんの方を見ると、光の穴のようなモノが空間にぽっかりと空いている。
「よっし、皆行くか!」
秋さんの掛け声で一人ずつ入って行く、中は真っ白で、何処までも続きそうな穴だ。
「全員、変な所に降りても慌てるなよ?」
「「「おう!」」」
「「「了解!」」」
「じゃあ、また修復世界で!」
その声を最後に皆の姿が見えなくなる、一人を除いて。
「葵は、近いから見えるのか?」
「嫌?」
「嫌じゃない、葵みたいな美少女なら歓迎するさ」
「っ…軽い男に見られたく無かったらやめといた方が良いわよ、その言葉」
相変わらず葵は厳しい、さっきまでは良かったのに、俺が嫌いなのだろうか…。
「…別に嫌いじゃないわよ(ボソッ)」
「え?」
葵の方を見ると、少し顔が赤くなっている、…こうして見ると本当に可愛いよなぁ。
「ほら、着くわよ」
葵の言葉に前を向くと、目の前からゆっくりと地面が近づき、そして…
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