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「そ、それは何か?カニか?ネクロか?
それ以上言うなっ!!
た、頼まれても聞くかそんなもの…。
やっぱ人って怖えぇぇぇ~~~~~!
もう諦めて、また自殺してもいいかなアイン?」
「せっかく過去にまで来て、未来を変えようとしている時に…。
そんな弱気では困りますよ勇人様。
地球と宇宙の運命は、あなたのアドバイスに掛かってるんですよ。
がんばってください。」
アインはそうねぎらいつつ勇人の肩をポンポンと叩くのだった。
「俺は臆病者だから死んだってのに…。
……勝手なこと言ってくれるよな…。
本当に…。」
勇人は「頑張って」とは、ねぎらいの言葉だと頭では分かっているが、どうにも素直に受け止められないでいた。
何だか他人が押し付ける身勝手な言葉に思えるからだ。
二人話していると程なくして、幼稚園が見えてきた。
「ヨシっ!!
今日こそあのソナタって奴と友達になって来いっ!!
幼稚園で友達を作る為にやる事、最初にかける言葉と、次にかける言葉はおぼえてるな?」
「ええ、分かってます。
昨夜の内にシミュレーションを何度も繰り返してますから…。
突発的なアクシデントにも、即対応出来る自身がありますよ。
アチョッ!!」
アインはそう言うと、変なアクションポーズを次々にして見せるのだった。
「分かった!分かったから…。
とりあえずアイン、やる気の空回りでソナタを傷つけるなよ。
人ってのは、第一印象で友達になれるかどうか決まる事もあるんだからな…。」
「ハイ!承知しております。
人生初めての私(わたくし)ですが。
精一杯宇宙の為に精進します。
では、意識を幼稚園児モードへと戻しますね。」
その言葉と共に、既にそこには普通の感覚の普通の幼稚園児しかいなくなっていた。
「ゆうくん。いこう。」
「うん、あいくん。」
二人は仲良く互いの手を取り合うと、幼稚園へと駆け入って行くのだった。
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