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「どっかーん!!ガオ~~!バリバリ!ずぎゃ~ん!ギューーーン!ど~~~ん!!」
その男の子が砂山をメッタメタに蹴り壊してしまった。
明らかにワザとだ。
「ぎゃははっ!おもしれぇ~!!」
けたたましく笑う男の子。
一瞬、何が起こったのか理解出来ないアインとソナタだったが…。
ソナタは徐々に涙を浮かべ…。
「うぇわ~~~~ん!!…」
とうとう泣き出してしまった。
泣き出すソナタに、砂山を壊した男の子の方が面喰らった。
その男の子にとっては、砂山を思い切り壊す事が、楽しいと思えたから壊したのに…。
なぜ、ソナタが泣き出すのか理解出来ない。
まだ、幼きゆえに…。
「よわむしっ~!ナクなっバーカ!!」
泣き出したソナタに、どうして良いのか分からず、思わず大声で罵声を浴びせる男の子。
それを聞いて、ソナタは更に泣いてしまう。
ヤンチャな男の子は、泣き声が五月蝿いのと、泣き止めと言ったのに泣き止まず、思い通りにいかないイライラから…。
徐々にソナタに対して、腹が立って来つつあった。
それを見たアインはうろたえる。
『え~と…。こ、コレは…。
この場合どうしたら良いんですかね?
勇人様?』
オタオタしながら、アイコンタクトで勇人に助けを求める。
『どんなアクシデントにも即対応出来るんじゃ無かったのかよっ!!』
木陰から勇人はそうツッコミを心の中で入れながら、アインに必死に身振り手振りで伝えようとした。
『アイン何してんだ?
ソナタと仲良くなれるチャンスだぞ。「何するんだっ!!」って抗議して突飛ばせ!!』
そう勇人が伝えようとするが、当のアインには伝わらない。
アインはどうしたら良いのか分からずに、ただただうろたえる。
そんな時である。
ある一人の女の子園児が、一人ポツリと木陰に隠れて怪しく動く勇人に気づき、勇人に近づき…。
「そんなところでナニしてるの…?」
勇気を出して恥ずかしげに質問の言葉を投げかけた…。
だが勇人は、アインにアイコンタクトを送るのに必死で、女の子園児に構ってられない。無視を決め込む。
だが、女の子は勇人が聞こえなかったと思ったのか…。
更に大きな声で勇人の袖をひっぱって質問し続けた。
「ねえ、ナニしてんの?ねえ?ねえっ?。」
服の裾を掴みブンブン振り回す。
「え~い五月蝿いっ!あっち行ってろっ!」
勇人は思わず手で振り払った。
女の子は思わず泣きそうになる。
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