9人が本棚に入れています
本棚に追加
ヤンチャな男の子の行動は、ソナタの視点からしたら、イジワルされたと感じるだろうが…。
ヤンチャな男の子の視点からしたら、イジワルしたつもりはまるで無かった。
砂山を怪獣ごっこのように、壊した方が面白いと思ったのだ。
思ったが最後、活発な男の子は面白そうと感じただけで、直ぐに行動に移してしまう。
それが大人からしたらどんなに危険な事であっても…。
やらずには…。
試さずにはいられないのだ…。
好奇心という本能は、幼き心では制御出来ぬ為。
幼稚園児の段階では、まだまだ理性よりも本能を優先する。
人としての常識や理屈は、まだまだ通用しない。
だが、ヤンチャな男の子がイライラから次に移そうとする行動は…。
イジメという分類に入ってしまう。
人の行動は自らが意図せずに徐々に変化していくのだ。
『ハッ!?そうか…!
そうすれば良いのですね。勇人様。』
勇人のアイコンタクトがようやく伝わったのか、アインは行動に移りだした。
人生は絶対的な誤答はあるのに、明確な正答の無い選択肢の連続だ。
ヤンチャな男の子の一連の言動に、周りがどう答えるかで…。
ソナタだけでなく、男の子人生すら変えかねない。
だんだん腹が立って来たヤンチャな男の子が、ソナタに対してイジメようと行動しだした瞬間!
少し怒った表情アインがつかつかと歩み寄り、ヤンチャな男の子に抗議して突き飛ばす…。
かと思ったら…?
「ナニしてんの!?ゆうくんっ!?」
ドンッ!!
女の子の手を振り払った勇人を、抗議と共に突き飛ばした。
「抗議は俺にすんじゃねぇよ!!
馬鹿アイン!!」
思わずコレには、ソナタやヤンチャな男の子、何より勇人自身が面食らった。
突き飛ばされた勇人は地面に突っ伏し砂埃を被ると、余りの痛さに泣き出してしまう。
演技ではない。
「いっ!痛って~~~!!
何でだ?
何でこんなに痛いんだっ!?」
幼稚園児の肉体で受ける痛みが、大人の時に感じる痛み以上に痛く感じるのだ。
それもそのはず、まだ痛みすら知らない体は、痛みを覚え慣れさせようとしているのだ。
「アレ?何か違うような…?
ハっ!!そうか…。」
痛みに悶える勇人を尻目に、自らのミスにハタと気づくアイン。
次にヤンチャな男の子方をゆらりと返り見る。
最初のコメントを投稿しよう!