1章 終わりの休息・アポカリプスの朝

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 結局学校に着いたのは、昼過ぎになってしまった。 今日はもう休んでしまおうと決め込んでいたのだが、エレナに午後からでも行ってこいと叩き出されたのだ。あいつ、自分の事は棚に上げやがって……。 「眠い……」  口に出してみると、余計に眠くなる。カオスの力は、兎角精神力(マナ)を消耗する……だから……眠い。 「昼過ぎに遅刻して眠いとは、随分と偉いんですね」  保健委員の聖木(ひじりぎ)が俺を茶化す。やたらと俺にかまってくる、鬱陶しい女だ。コイツが腕を組むと、まるで自分の胸を自慢しているかのようになり、腹が立つ。あの胸。クク……カオス。  昼休みは保健委員が保健室の番をする決まりになっている。今は昼休みであるから、要するに俺は保健室で、昼寝をしている。 「だるいんだ」 「……まさか、本当に熱でもあるんですか?」  聖木が俺の顔を覗き込み、額に手を当てた。……近い。 「っ!……カオスに触れるな……!」 「カオス?なんですか?」 「いや……熱はない。それと、保健委員なら体温計を使え……」
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