十年後

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鳴海警察署、刑事課・・・ 「うーん・・・」 「よっ黒嶋。」 「あ。紀田警部。」 「ん?おまえ、またあの事故の資料を見てるのか?」 「えぇ。あの事故、いや、事件は俺が刑事になって初めて関わった事件(ヤマ)でしたし。聖也君と知り合う“きっかけ”になった事件でしたから。」 黒嶋はそう言うと手に持っている、十年前の聖也の家族の事故の資料を見直す。 「事件って・・・やっぱりおまえはあの事故は事故じゃなく事件、つまり殺しを疑っているのか?」 「えぇ。まぁ、“勘”ですけど・・・」 「刑事の“勘”って奴か?」 「えぇ。まぁ、恥ずかしながら・・・」 「ふーん・・・まっ俺も若い頃はそうだったし。その“勘”のおかげでここまで伸し上がれたようなもんだから、別にバカにはしないさ。」 黒嶋の上司である紀田衛(マモル)警部はある捜査資料を黒嶋に手渡した・・・
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