心に傷を持つ少年

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その人が言うには、車に乗って家族で海に行こうとしていた俺達はその途中、原因不明の事故に巻き込まれたと言うらしい。 その事故によって両親は即死。妹の明は遺体すら見つからなかった。 で、俺だけが奇跡的に生き延びて、気絶していたところを後から来た警察に発見されたのだが・・・ 「・・・わからない・・・」 「わからないとは、何が起きたのか、わからないってことだね?」 「・・・うん・・・」 事故の唯一の生存者で証言者である俺は、その事故に関する記憶を失っていた。 正直言って、あまり実感が湧かなかった。 目が覚めたらいきなり病院で、そして家族が死んだなんて信じられなかった。 だから、 「すいません。遺体とかはないんですか?」
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