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十年前のあの事故の後、身寄りのなかった俺はあの時、病室で会った刑事、黒嶋健治さんに引き取られた。
結局あの事故の原因はわからず、事故か事件なのかすらわからぬまま、十年という時間だけが過ぎてしまった。
事故に関する俺の記憶が戻れば、まだ何かしらの進展があったのだろうが、それも未だに戻らず。
あの事故のことについてはほとんどが謎のままだった。
それでも黒嶋さんは俺を、引き取ってからもずっと励まし、支えてくれた。
今、こうして高校に通えているのも黒嶋さんのおかげだ。
「本当にあの人には感謝しないとな・・・」
そんなことを呟きながら、俺は高校に向かって走り続けた・・・
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