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僕はプリンを片手に階段を下り
一階のリビングへ向かう
電気をつけキッチンへ行き、小さいスプーンを取り出す
そして丁寧に蓋をあけ、見るからにつやつやしたプリンの表面にスプーンをあて静かに掬い取る
そして、そのスプーンを口へと運ばせる
「~~~~~ッ」
声にならない感動が僕を襲う
「新作はちがうな、やっぱ」
今の僕の喜びは頂点に達する物だった
そして気づけばもうプリンは全て僕の胃袋の中へ
フーッと満足気に顔を緩めながらカップをゴミ箱、スプーンは流しへ放り込む
そしてリビングでのんびりとテレビを見ていた時だった
一枚の手紙が僕の目につく
それを見るたび僕の口からは大きなため息が出てくる
そう、学校からの手紙だ
内容は新学期のお知らせ
僕が通う中学校は明日から新学期
僕は中3になる
つまり、学校に行かないといけないのだ
でも、どうせ新学期になったからといって皆からの目線が変わるわけでもない
しょっちゅう耐えられなくなって授業をさぼってしまう
だがそれで、先生方に何か言われたことはない
何せ、テストでは僕がいつも必ず一位をとるぐらいの頭を持っているから
まあそれなら学校も行かなくていいだろうと思うのだが、それはできない
なぜなら無断欠席などは内申に響く、いくら頭が良くても内申が悪ければ受けられる高校も限られてしまう
そうならない為に嫌々いっているのだ
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