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ーーーーーーザワザワ・・・
4月の朝、日曜日
町の商店街はたくさんの店がにぎわいを見せていた
その中で・・・一つ他とは別種のざわめきがあった
人々は何かを避けるように後ずさり
開いた道を一人の少年、いや少女が通る
その姿を見て怯える人や
何やら近くの人とヒソヒソ話す人
その場から離れていく人・・・
そんな人を横目に見ながら少女は商店街を通りすぎた
少女がいなくなると皆、安堵の息を吐き
また買い物へと足を運ばせた
そんな光景を背に商店街と一直線の道を進む少女
フードを被っていてあまり顔は見えないが
外見は見れば誰もが不良と言いつけそうな白色の髪
鋭く吊り上った目
まるで男の様な容姿の少女はある一軒の家の前で止まった
きっとそこが彼女の家なのだろう
鍵を回しドアを開け中に入る
ーーーバタン
自然にドアが閉まる
そして鍵を閉める
「ハァ・・・」
玄関でついたため息は誰に届くはずもなく
暗い家に消えて行った
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