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男の人は全身を鎧で包んでおり、腰に剣を一本携えていた、多分騎士かなんかだろうな
「うむ、ヨシハルという少年を捜しているのだが心当たりはないか?」
それって、善春……のことかな?
「俺は一応そういう名前だが?」
善春が僕の隣まで歩いてきてそう騎士に言う
「そうか…少しご同行願いたい」
「理由もなしにいきなり何言ってるんだ?馬鹿か?」
善春は眉をひそめて騎士にそう言う
「……王女の命令だ、従ってもらう」
騎士はそんな善春の態度が不服なのか少し不機嫌になっている
「はっ、ヤダね」
「そうか……なら力ずくでも連れて行く」
騎士から殺気が漏れ出す
殺気を感じた瞬間に僕は素早く善春の背中に隠れる
だって怖いんだもの
「力ずくでどうにかなる相手だと思うなよ」
善春からも殺気があふれる
巻き添えを喰らいそうだからルイスさんの後ろに隠れとこう
「坊主如きが、騎士団長を任されているこの俺に勝てると思うなよ!」
あの騎士さんって騎士団長なんだ……
「上等だ!おらぁ」
「おおおおおおおおおおぉ」
騎士団長は腰に携えている剣を抜いて善春に斬りかかる
「おせぇよ!」
善春は騎士団長の剣をスルッと避けて背中に蹴りを叩き込む
それだけで騎士団長の鎧は砕けて騎士団長は数十メートルほど吹っ飛び、地面に数回バウンドした後に止まりピクリとも動かなくなってしまった
「……こ、殺しちゃった?」
騎士団長がピクリとも動かないのでもしかして死んでいるのではないかと不安になってルイスさんに聞いてみる
「いや、あれくらいじゃ死なないわよ、ただ気絶してるだけよ」
気絶してるだけなら良かった~
「ったく、めんどくせえ「よしはるううううう」……やっぱりテメエが元凶か!」
「げふぅ」
誰かがよしはるうううううと叫びながら善春に突っ込んでいき、カウンターパンチを喰らって吹っ飛び、ギルドの壁にめり込む
「え?え?」
「……壁の修理どうしよう」
突然の出来事に戸惑う僕とめり込んでる人じゃなくて壁の心配をするルイスさん
「さて、さっさと入ろうぜ」
善春は何事も無かったかのようにギルドへ入っていく
………え?今の人スルーするの?いいの?
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