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「酷くね?俺の扱い」
ガラガラと音をたてて壁が崩れて瓦礫の中からカウンターパンチを喰らった少年が首を左右に軽く振りながら出てくる
なんだか女の子受けしそうな顔立ちだな……あ、僕は男だから何とも思わないよ
「ちっ、空気読めない馬鹿が」
善春が舌打ちをしながら少年を睨みつける
どうやら知り合いみたいだ……でもこっちの世界に知り合いって居なかったような
「舌打ち!せっかく会えたのに……お前も一緒に城に落ちて来ねえから捜したんだぜ?」
ああ、僕を巻き込んだ一番の元凶の勇者君か
「会わなくて良かったんだよ!いつもいつも俺を巻き込みやがって!お前と居ると面倒事しか起きねえ」
善春は前の世界で勇者君関連のことに苦労したみたいだな
「よく言えば退屈しないってことっしょ」
「よく言う気はさらさら無いけどな!このトラブルメーカーめ」
………あれ?なんか仲良さそう、善春も勇者君も楽しそうにしてるし
「それより、聞いてほしいことがあんだけどよ」
「あ?」
善春がめんどくさそうに返事をする
多分今(こいつ、また面道事もってきやがった)って思ってる
「魔王を倒すのを手伝ってくれ」
ババンと効果音が聞こえてきそうな勢いでそう言う勇者
「断る」
善春は即答で答える
「断るのを断る!話だけでも聞いてくれよ」
「ヤダね」
「そこを何とかぁぁぁ」
「抱きつくな!気持ち悪い」
勇者は善春の腰辺りに泣きながら抱きつく
「善春……話だけでも聞いてあげようよ」
それを見かねたので話だけでも聞くように善春に頼んでみる
「………ちっ、しょうがねえな……おら、話位は聞いてやるよ」
しぶしぶといった感じではあるが善春が勇者にそう言う
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