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「……ぶか……ぉい!大丈夫か」
「うん?……ここ…どこぉ?あと、君は誰かな?」
キョロキョロと周りを見渡すとさっき僕に抱きついてきた少年が申し訳なさそうに僕のことを見ていた
全く知らない顔だったので名前を聞く
「俺の名前は高岡善春(たかおかよしはる)」
「そう、僕は霧雨晃」
「霧雨晃か……あと、ここがどこかは俺にもわからない……異世界だろうって事はわかるけど」
「異世界?」
「ああ、さっき見てたろ?俺ともう1人の奴の足元に魔法陣みたいなのがあったの」
そう言われてさっきまでの場面を思い出す
「ああ、あったね……それがどうかしたの?」
「いや、予想だけどあの魔法陣みたいなのは、異世界への勇者召喚の儀式だと思うんだ俺はたまたま巻き込まれて、そのときに君も巻き込んだんだと思う」
「……そう、よくわからないけど、僕がいた世界とは違う世界ってことか」
勇者召喚とか異世界とか初耳ばっかりで頭がついていかなかったが無理やり割り切った
「ああ、悪い俺はともかく君みたいな女の子を巻き込んでしまって」
少年……善春は俺に頭を下げながらそう謝る
……またか…僕は一応男なんだけどな、やっぱり初対面で男だと分からないのか
「別にいいって、頭をあげてくれよ」
「悪かった」
頭をあげるがなおも誤り続ける善春
「気にしてないって言ったろ?あと僕は男な」
「……え?」
「僕は男な」
「えええええええええぇぇぇぇぇ!マジかよ!その顔で男なのか」
「悪かったね、まあ別にいいけどさ初対面の人は皆間違えるし」
「いや、悪い喋り方とかも違和感なかったから」
「はは…よく言われるよ」
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