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木の前まで歩いて行き、善春と同じように構えを取る
「とお」
思いっきり木を殴りつける
「……いったぁ~」
木を善春のように粉砕することは出来ず、逆に僕の手にダメージが来てしまった
予想外の痛みに思わず手を抑えてしゃがみ込む
「大丈夫か?……晃は身体は強化されてないみたいだな」
「いてて……そうみたいだね……怪我は無いみたいだ」
手を確認してみるがどこも怪我をしてる様子はない
「それは良かったな、怪我してたら大変だ」
「ありがとう」
心配してくれる善春にそう礼を言って立ち上がる
「さて、そろそろ森を抜けますか」
「そうだね、ってうわぁ……なんで?」
善春が急に僕の腰を持って肩に担ぐ
「え?いや、俺身体強化されてるし、こっちの方が早いと思ってな」
「ああ、成る程……でもなんか恥ずかしいんだけど」
「別に周りに人居ねえし大丈夫だろ?それに居たって別に気にすること無いだろ」
「それもそうかな」
「じゃあ、行くぜ」
そう言って善春は地面を蹴る
「わぁぁぁぁぁ、怖い怖い怖い」
一歩地面を蹴る度に50mは進んでいるんじゃ無いだろうか……それよりも木の枝から枝を飛び移るのはやめてぇぇぇぇぇ、落ちそうで怖いから
「そんな怖がんなくても落ちやしねえよ、絶叫マシンと一緒みたいなもんだろ」
はははと善春は笑いながらそう言うが僕は絶叫マシンは嫌いなんだぁぁぁぁ、ついでに言うとお化け屋敷も大の苦手
その後森を出て街に着くまでの5分間絶叫マシンを体験する事になった、短い時間だが永遠にも感じられる5分だった
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