花ざかりの君たちへ

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「いらっしゃいませ~」 「そこの薔薇を一つ」 「かしこまりました~」 俺は近所の花屋フラワンダフルの店員の、 花田優美さんに恋している。 タトゥーショップのトラディショナルで彫り師をしている俺、 堀内墨は、 タトゥーの参考に、 よくフラワンダフルで花を買っていたのがきっかけだ。 タトゥーの師匠が免許皆伝も兼ねて、 体中に薔薇やケルベロスや髑髏を彫ってて、 銭湯に入れない悪人と思われがちな俺と違い、 彼女は聖母の様な慈愛に満ちていて、 いかにも清らかな善人そうだ。 花の手間を忘れないし、 いつも笑顔で彼女自体が花の様に綺麗だ。 勤務が終わったら児童施設に、 売れ残りではなく自腹で花を送って、 一緒に子供達と遊んであげる優しい彼女。 俺は児童施設帰りに思いきって、 休日デートに誘ってみる事にした。
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