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退散してくれるとは、ありがたい。
やっとちゃんと話ができる人と話せるんだから。
「お前は、伊藤甲子太郎がいるかどうか聞いたな。」
「うん、きいたよ。」
「そいつは、なんだ。」
「あんたらに、害がある人間だよ。少なくともあたしは、大嫌いだけどね」
「で、悠を探すにはここにいたほうがいいと?」
「うん。京にいるのは確かだとおもうし。」
「で。お前の目的はなんだ?」
「あたしの目的は…、あたしの嫌いな集団を全力で守ることだよ。」
土方歳三の顔がゆがむ。
それは、新選組なのかと思っているのかわからない表情。
あたしが、あなたたちを守るのは不本意なことだけど。
鬼の子ということは、役にたてる。
そして、現代に悠と一緒にかえるため。
あたしはこの力を存分に使おうとおもう。
たとえそれが、あたしの寿命を縮めようとも。
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