晴れのち曇り

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ただの貧弱者とは、ちがうんだ。 真剣は使ったことないけど、 「おれの家の倉庫からでてきた、鬼刀だ。なまえは、まぁ近藤さんがつけたんだけど。鬼刀とか言われると、怖くてつかえねぇ。これは、昔からあってたくさんの血をすってそうだからな。」 「そんなものをあたしくれるの?」 「かすだけだ。こいつが気に入ったならもってかえればいい。」 「土方さん、あんたこいつに優しすぎ。鬼の副長の名が廃るよ。」 「いや、鬼の副長とかいやだし。」 「まぁ、いいや。蒼井翡翠だっけか?尋常に勝負!」 ちゃきっと刀をかまえる。 あたしは、刀を抜く気もなくて鞘に刺さったまま。 この刀、あたしにあうのかな。 「…きみは、今本当に大切なものを守りたいの?」 「っ…!だれだ!」 「は?なにいってるの、蒼井翡翠。誰にはなしかけてるの?」 聞こえてない?ということは、あたしにしか? その前にこの人をたおさなくちゃ。 大丈夫、あんたとはあとではなすから。 ざっと砂を蹴る音がきこえる。 構えてくる沖田総司。 お前は、あたしに敵わないよ。 「勝負あり、」 土方歳三の声がする。 ただ、その声よりも心臓の音のほうが凄い。 どくんどくんと、血を欲するような音、 さぁ、はじめよう。 血の殺戮を。 「おい!勝負はあったんだぞ!!おちつけ!翡翠!」 あぁ、またか。 また、土方歳三にとめられてる。 お前、目が…と言われてわかったんだ。 血をみると、だめなんだ。 真っ赤な紅い目。
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