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「翡翠…?」
「なに?また、きたの?」
「きちゃダメだったか?」
「いや、勝手にすれば?」
あたしの名前を呼ぶこの男は、あたしの幼馴染の悠。
悠は、昔から過保護だから今日もあたしの傍にいてくれるんだろう。
だけど、それがどういう意味かなんてわかってるんだ。
あたしは、そろそろ死ぬ
東京の病院で入院しているあたしのもとに来た悠。
悠は元々京都に住んでいるから、東京にくることなんか普通ならあり得ないんだ。
「ねぇ、悠。」
「ん?」
あいつが死んだのも、こんな感じに晴れていた日で散歩したいという願いを叶えた。
レイ…、会いたい。
早く会いたいから、早く死にたい。
あなたが大好きであたしに聞かせていた新撰組の話。
まだ、鮮明に覚えてるよ。
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