0人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「ありがとね、悠。」
散歩を許してくれた悠。
「おれ、看護師に怒られるわ。」
「庇ってあげるから大丈夫だよ。」
昔は、あんなに弱かったのに。
あたしの後についていくのが、普通だったのにな。
今じゃあたしの前を歩いてくれているようなもんだ。
あたしも、自分の足で歩きたい。
走ったりしたいし、悠と二人並んで歩きたい。
ただ、それは叶わないことはしっているから。
あたしの身体には、レイと同じように変な細胞があるんだって。
人では見たこともない変な細胞が。
その細胞がなんなのかはわかっていなくて、この時代の医療でさえもわからない。
ってことは、治ることもないということで。
最初のコメントを投稿しよう!