晴れ

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真っ白の空間には、あたし以外誰もいない。 悠もいない。 「ゆう…?」 どこにいるの? あたしを一人にしないでよ、 お願いだから、1人はもういやなんだ。 「あなたは、鬼の子だ。」 「だれ…?」 「鬼の子よ、あなたは助けなければならない者たちがいるのだ。」 「助ける?あたしが?ちょっと待って。鬼の子って、なに?あたしは、鬼?」 「あなたの幼馴染のレイも、鬼でしたよ。まぁ、あの子は気づいてたみたいですが。」 「あたしが、鬼…?じゃあ、悠は?鬼ではないよね。」 「あの人は、鬼ではありません。ただの人間ですよ。」 よかった、ただの人間で。 「鬼のあたしが、誰をたすけるの?」 「あなたが目を覚ましたとき、最初に見た人の所属している組織ですよ。」 「えっ、組織を助けるの?」 「……い。」 え、聞こえない。 「あ……たは、…す……うので…す。」 「え?ちょっと…!!あなたの名前は?!」 「涼です」 ただその声だけが、はっきりと聞こえた。
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