ちっちゃいおじさん伝説

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イッテオイデヨ。ナニヲキガネシテイルンダイ。 ちっちゃいおじさんがいつものようにカウンターテーブルを忙しそうに走り回っている。 「うん。そうだね。」 明日、メガネさんと遊園地に行く約束になっていた。 けれど、僕は何となくちっちゃいおじさんに悪いことをしている気分だった。 なんだか利用したみたいで… いや、決してそんなことはないんだよ。ということをわかってもらいたかった。 でも、それはいつもいい人でいたいという、自分勝手な気持ちの押し付けなのかも知れない。 ソウダ。キミニハナシテオキタイコトガアルンダ。 ちっちゃいおじさんは僕の前にやって来ると、体育座りをして僕を見た。 お茶のグラスの氷がカタンと小さな音を立てた。
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