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「え?ちっちゃいおじさん?アハハハー!」とメガネさんは人目もはばからず笑い出した。
「ごめんなさい。」と言い残し、厨房に走り込む。
爆笑する声がまだ聞こえている。笑いが止まらないようだ。
そんなにおかしいこと言ってないはずだが…
な、なんなんだ?一体…
やっぱり見えてない?見えてる?どっちなんだろう?
横目でちっちゃいおじさんを見ると、丸めたティシュを鼻に突っ込みながら、ちょっと、拗ねているようだ。
メガネさんに笑われたのがそんなにショックなのか。
まあまあ。
そう言えば、牛丼。早く食わないと。箸箱に手を伸ばすと、ちっちゃいおじさんがサッと蓋を開けてくれた。
「ありがとうございます。」僕は礼を言った。
え?という顔で僕を振り返るちっちゃいおじさん。
キミハボクガミエルノ?
「ああ…はい。」
その様子を眺めていた金髪バカ女が「キモッ…」と小さくつぶやいた。
僕が独り言を言っていると思っているのだろう。
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