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「僕は魔法使いだからね! 魔法さえあれば体を鍛える必要はないんだよ」
「すげーな! 俺剣士だから魔法とは無縁なんだ。よかったらみしてくれよ」
ジャンは目を輝かしている。
「ダメだよ。こんなとこで魔法を使うのはマナー違反なんだ。魔汽車から降りたら見してあげるよ」
「本当か? 絶対だぞ?そうだ」
そう言ってジャンは手をポンと叩いた。
「ここであったのも何かの縁だし、ソージック学園に着くまで一緒に行動しようぜ」
「うん! 道中何が起こるかわからないしね、こちらこそよろしく」
「しってるか? ライトここに乗っている。俺ら位の子供のほとんどがここの入学試験を受けにきている連中らしいんだ」
とジャンは小声で僕に耳うちをしてきた。
「そうなの? じゃあ、みんな仲間だね」
「バカちげーよ。言うたら入学するまで、ここの連中はみんな敵なんだよ」
「え、なんで?」
はー、とため息を吐いてジャン飽きれたように口を開いた。
「ここの試験は毎年死人が出てるほど過酷なんだ。この汽車に乗ってる時点でもう入学試験は始まってるも同じなんだよ」
「あ、そっか」
「あ、そっかじゃねーよ! お前はお人好しかぁぁぁ!」
そう言って、ジャンは僕の肩を揺らしまくる。僕はこの時点で彼に小さな信頼を抱いていた。
それから十分がたった頃、目的地についた。
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